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目次

1. Rubyとは

プログラミングの世界では多くの電子情報やデジタルデータの制御をするために様々なプログラミング言語が存在します。それぞれのプログラミング言語には、それぞれの特性や利点があります。このセクションでは、プログラミング言語の一つであるRubyについて説明します。

1-1. プログラミング言語Rubyについて

Rubyは、まつもとゆきひろ氏によって設計され、開発されたオブジェクト指向スクリプト言語です。スクリプト言語とは簡単に言うと、プログラムを書くための手段の一つで、すぐに結果を得ることができるプログラミング言語のことを言います。

Rubyが初めて公にされたのは1995年。その後20年以上にわたり、世界中の開発者に利用され続けており、ソフトウェア開発をする上で非常に有効なツールとされています。

特に、Rubyの特徴として読みやすく人間にとって理解しやすい構文があげられ、その汎用的な特性も多くのプログラマーにとって非常に魅力的な要素となっています。

1-2. Rubyの特徴・メリット・デメリット

Rubyは非常に直感的なコーディングが可能であるため、コードの可読性が高いとされます。これは、他の人が書いたコードも理解しやすくなるという意味でもプラスと言えるでしょう。

また、Rubyは、オブジェクト指向にすべてが基づいており、すべての操作がオブジェクトとメソッド呼び出しによるものなので、一貫性のあるコーディングを実現することができます。

さらに、Rubyはメタプログラミングが容易で、動的なコード生成をするのに適しています。これは、コードが他のコードを書くという高度な技術で、Rubyの特徴としてよく言及されます。

一方でデメリットとしては、他のプログラミング言語と比較すると処理の速度が遅いとされる点があります。特に大量の計算が必要なプログラムには向かないとされています。

また、Rubyの範囲内でしか使えない独自の機能が多数存在するため、他の言語への移行が難しい場合があります。

しかし、それらのデメリットも理解した上で使うことで、Rubyは非常に便利で強力なプログラミング言語となるはずです。

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2. Ruby環境構築の必要性

まずは、Rubyの環境構築が何のために必要なのかを理解しましょう。具体的な手法について触れる前に、大きな視点で見てみると良いのです。

2-1. 環境構築が必要な理由

コードを書くためには、プログラムが正しく動作する環境が必要です。これは、コードを書き、それを実行した結果を確認するための環境、つまり「開発環境」を構築する必要があることを意味します。

開発を始める前に開発環境を用意しておくと、その環境上でコードを実行することが可能になります。これにより、開発者は自分の書いたコードが想定通りの動作をするか試すことができます。

実は、このような環境を用意することは、開発の品質を担保したり、他の開発者との共同作業をスムーズにすすめたりするためにも重要です。例えば、同じ環境を使用している全ての開発者が同じ結果を見ることができますし、環境が違えば、意図しない不具合が起きる可能性があります。このように、共同作業を円滑にするためにも、環境構築は必須といえます。

2-2. 開発環境とプロダクション環境

さて、これからRubyの環境構築について説明していきますが、その前に「開発環境」と「プロダクション環境」の違いについて説明します。

まずは開発環境です。開発環境は、コードを書いて動作確認を行うための環境を指します。つまり、開発者が自由にコードを書き、テストを行うための環境です。これは主に開発者のパソコン上に構築されます。

一方、プロダクション環境とは、実際にユーザーが使うアプリケーションを動かすための環境を指します。開発が一段落し、ユーザーに提供するタイミングで利用します。プロダクション環境は非常に厳格な環境であり、ここで発生するエラーは直接的なユーザー体験に影響を及ぼすため、非常に慎重に扱わなければなりません。

開発環境での作業とプロダクション環境での作業は、目的や求められる要件が異なるため、その構築方法も異なります。次に進む前にこれらの違いを理解し、適切な環境を構築することが大切です。

3. Rubyのバージョン管理とは

プログラミングの世界では、常に新しいバージョンの言語やフレームワークが出続けています。その中で、開発者は様々なプロジェクトでそれぞれ異なるバージョンのRubyを使うことが一般的です。このような場合に、どのバージョンのRubyを使って開発を進めるべきかを管理するのがRubyのバージョン管理です。

3-1. Rubyのバージョン管理とその重要性

Rubyのバージョン管理は、開発者が使いたいRubyのバージョンを自由に切り替えることが可能となり、それぞれのプロジェクトに対応した開発環境を手軽に構築できるようになります。また、新しい機能を追加やバグ修正が行われた最新バージョンのRubyを試しやすくなります。

これがないと、古いバージョンのRubyで作られたプロジェクトを最新バージョンのRubyで動かすと予期せぬエラーが発生する可能性があります。また、新しいRubyのバージョンを試すためには、既存のバージョンをアンインストールして新しいバージョンをインストール、という手間が発生してしまいます。そのような作業を繰り返していると、時間の無駄になりますし、何よりもエラーの原因追及が困難になってしまいます。

3-2. rbenvとRVMの使い方と違い

この問題を解決するために生まれたのが、Rubyのバージョン管理ツール「rbenv」と「RVM」です。これらのツールの目的は同じでありますが、その使い方と違いを理解することで、より効率的な開発が可能となります。

rbenvはシンプルなRubyのバージョン管理ツールで、各ディレクトリに設定したRubyのバージョンを自動的に切り替えて使用します。設定方法は

.ruby-version

というファイルに使用したいRubyのバージョンを記述し、そのディレクトリに入ると自動的に該当のバージョンのRubyを使用するよう切り替えます。

一方、RVMはrbenvよりも機能が豊富で、gemsetsという機能を通じて、それぞれのRubyバージョンごとに異なるgem環境を作ることが可能です。また、RVMはシェルを書き換えることで動作するため、コマンドが豊富で高度な設定が可能です。

どちらを選ぶかは開発者の個々のニーズや好みによるところが大きいですが、一般的にはrbenvはそのシンプルさから初心者に、RVMはその高機能性から経験豊富な開発者に選ばれることが多いです。

4. Ruby環境構築手順

Rubyの環境構築手順は非常にシンプルで、主に以下の4つのステップで完了します。

4-1. 開発環境の準備:必要なソフトウェアについて

まず最初に、開発環境の準備として、テキストエディタ、コマンドラインツール等のソフトウェアのインストールが必要です。テキストエディタには、プログラミングに適したSublime TextやVisual Studio Codeなどがあります。これらをインストールしておくことで、コードの編集やファイルの管理が容易になります。コマンドラインツールには、Terminal(ターミナル)やiTerm2などがあり、これらを通じてコンピュータのシステムを操作します。

4-2. rbenvのインストールと設定

次にrbenvのインストールと設定が必要です。rbenvはRubyのバージョンを管理するツールで、プロジェクトごとにRubyのバージョンを切り替えることが可能です。rbenvの設定方法はOSにより異なりますので、適切な手順を探すことが求められます。

4-3. Rubyのインストール

rbenvの設定次第で、Rubyのインストールに取り掛かります。インストール方法は主に2つあります。1つはターミナルに直接コマンドを打ち込む方法です。もう1つは、rbenvを使ってRubyをインストールする方法です。どちらの方法を選ぶかは、主にご自身のプロジェクトの進行具合や多く管理しているRubyのバージョンによるものです。

4-4. BundlerとGemfileの説明と使い方

最後に、 BundlerとGemfileについて説明したいと思います。BundlerはRubyのライブラリを管理するためのツールであり、プロジェクトごとに必要なライブラリのバージョンも管理可能です。Gemfileは、プロジェクトで使用するライブラリ(gem)を記述するファイルです。BundlerとGemfileを使用することで、開発環境を統一し、開発作業の進行を円滑に行えます。

以上がRubyの環境構築の基本的な手順となります。着実に進めていきましょう。

5. Rubyの開発環境設定

プログラムを書くための道具立てを整えることも、効率的な開発作業には欠かせません。ここでは、まさに開発に欠かせないフレームワーク「Ruby on Railsの導入」について、そのうえで、必要なツールやエディタの設定方法を解説します。

5-1. Ruby on Railsの導入

Ruby on Rails、通称「Rails」はRuby用のWebアプリケーションフレームワークです。データベースを用いたウェブサイト機能を手軽に作成できるのが特徴で、現在のWeb開発には必須のエキップメントとも言えます。

まずは、Railsの導入です。以下にその手順を示します。

    $ gem install rails

上述のコマンドを実行すると、最新バージョンのRailsがインストールされます。バージョンを指定してインストールしたい場合は、以下のようにバージョン番号を付けて実行します。

    $ gem install rails -v '5.2.3'

インストールが終わったら、以下のコマンドでRailsのバージョンを確認しましょう。

    $ rails -v

5-2. 開発ツール設定:エディタなど

次に、効率的にコードを書くためのエディタを紹介します。プログラミングの世界では様々なエディタが利用されていますが、ここでは「Visual Studio Code」(VS Code)を取り上げます。

VS Codeは、Microsoftが提供する無料のコードエディタで、非常に多機能かつ高速な動作が魅力です。さらに、拡張機能を導入することで、RubyやRailsを効率良く使用することが可能となります。

VS Codeのインストール自体は、公式サイトからダウンロードし、指示に従ってインストールするだけです。公式サイトをご覧ください。

インストール後、Ruby開発を効率化するためには、VS Codeのエクステンション「Ruby」を導入することをおすすめします。「Ruby」エクステンションはコードの自動フォーマットや、シンタックスハイライトなどの機能を提供しており、Rubyコードの読み書きを助けてくれます。

もちろん、エディタの選択は「VS Code」に限りません。自分にとって書きやすい、見やすいと感じるエディタを選ぶことが肝心です。その他人気のエディタとしては、Sublime Text、Atom、Emacs、Vim等が挙げられます。

6. Ruby環境構築を助けるツール

これまで、基本的なRubyの環境構築方法について説明してきました。しかし、Rubyの環境構築には特定のツールを使うことで、より効率的かつ安定した方法が存在します。その代表的なものがDockerVagrantです。

6-1. Dockerを使った環境構築

Dockerは、開発環境をコード化し、コンテナという形で複製や共有が可能なツールです。自身のPCに直接環境を構築するのではなく、軽量の仮想環境(コンテナ)を作り出すことで、環境構築を行います。

これにより、他のPCやサーバーにも簡単に環境を移行できますし、複数のプロジェクトを行う際にも環境が混在する問題を解決します。また、Dockerの設定ファイルであるDockerfiledocker-compose.ymlを用いることで、環境構築の過程をコードとして記述できます。

# Dockerfile の一例
FROM ruby:2.7.0
RUN apt-get update -qq && apt-get install -y build-essential libpq-dev nodejs
WORKDIR /myapp
COPY Gemfile /myapp/Gemfile
COPY Gemfile.lock /myapp/Gemfile.lock
RUN bundle install
COPY . /myapp

これはRubyと必要なライブラリをインストールし、アプリケーションのコードをコンテナにコピーするDockerfileの一例です。上記の方法で、Dockerを使ってRubyの環境構築を行うことができます。

6-2. Vagrantを使った環境構築

Vagrantも、Docker同様に仮想的な環境構築ツールですが、仮想マシンを前提としたものです。VirtualBoxやVMwareなどの仮想化ソフトウェアを活用して、一つのPC上で完全に分離した複数のOSを動かすことが可能です。

Dockerがアプリケーションの実行環境を複製するのに対して、Vagrantは全ての環境(OS、ミドルウェア、アプリケーション)を再現することができます。これにより、開発者間での環境差異や、「自分のPCでは動くが、他のPCでは動かない」という問題を防ぐことができます。

# Vagrantfileの一例
Vagrant.configure("2") do |config|
  config.vm.box = "bento/ubuntu-16.04"
  config.vm.network "private_network", ip: "192.168.33.10"
  config.vm.synced_folder ".", "/vagrant_data"
  config.vm.provider "virtualbox" do |vb|
    vb.memory = "1024"
  end
end

VagrantfileはVagrantの設定ファイルで、これにより仮想マシンのOSやネットワーク、共有フォルダなどを設定します。このようにVagrantを使って環境構築を行うことで、環境の再現性と移行性を高めることができます。

7. Ruby環境構築トラブルシューティング

プログラミングを行なっていると、必ずと言っていいほどトラブルに出遭います。初心者の頃は、その問題を解決するために時間を費やすこともあるでしょう。ここでは、Rubyの環境構築で頻発する問題とその解決策を挙げていきます。

7-1. よくある問題と解決策

【libffiライブラリが見つからない】

libffiライブラリが見つからないというエラーメッセージが表示された場合、libffiがインストールされていないことが原因となります。libffiは、外部関数インターフェースの一種であり、動的になっているためRubyで必要となります。この問題は、システムにlibffiをインストールすることで解決します。以降は具体的なコマンド例を挙げていきます。

$ sudo apt-get install libffi-dev  (Ubuntuの場合)
$ brew install libffi             (macOSおよびHomebrewの場合)

【rbenv: version `2.6.3′ is not installed】

このエラーは、指定したRubyのバージョンがインストールされていないことが原因です。それぞれのプロジェクトで異なるRubyのバージョンを使いたいときにバージョンを指定すると発生することがあるでしょう。解決策は下記のように、対象のバージョンを用意することです。

$ rbenv install 2.6.3

7-2. 適切な情報の探し方

エンジニアの仕事の一つとして、困った問題が起きた時に適切な解決策を見つける、ということがあります。そのため、情報を探し出す能力はとても重要となります。

エラーメッセージは、問題が何であるかを示してくれます。そのため、まずはエラーメッセージを読むのが先決です。日本語でなくても大丈夫、数年前よりも英語への恐怖心は薄れつつありますね。エラーメッセージをそのままGoogleすれば、同じ問題に遭遇した人や解決策を記載してくれたWebページを見つけることが可能です。

また、Stack OverflowやGitHubのIssueに目を通すのも良いですし、公式ドキュメンテーションやブログ記事も参考になるでしょう。その際、情報が更新されているかどうかを確認するのも重要です。旧い情報に引っかかると、現在とは異なる解決策が推奨されていることもあります。

さらに、ある一つの問題に対する解決策が一つであるとは限りません。複数の解決策について調査し、自分の状況や理解度に合った方法を選びましょう。それぞれの情報を取捨選択し、自分が最も適した解決策を見つけ出すことが重要です。

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8. まとめ

この記事では、プログラミング言語Rubyの環境構築について解説してきました。そこでは、環境構築の必要性、バージョン管理の重要性、そして実際の手順などを詳しく見てきました。また、開発ツールの設定や、環境構築を助けるツールの使用方法なども解説しました。環境構築がどうしてもうまくいかない場合のトラブルシューティングにも触れました。

8-1. Ruby環境構築のベストプラクティス

Rubyの環境構築には、rbenvを使うのがベストプラクティスとされています。特定のプロジェクトで異なるバージョンのRubyを使う必要がある場合、それを容易に管理することができるのが大きなメリットです。また、Bundlerを使って依存関係を管理し、Gemfileにその情報を明記することも重要です。

開発ツールの設定についても、好みや必要性に応じてカスタマイズ可能です。ただし、エディタであれば、Rubyのコードを書くためのシンタックスハイライト機能があるものを選ぶことをおすすめします。

8-2. Ruby環境構築の学びとその先へ

Ruby環境構築は、初めて試みると躓く部分もあるかもしれません。しかし、その過程で学べることは非常に多く、それはプログラミングスキル全体の向上につながります。必要なツールのインストールから設定、トラブルシューティングまでを自分で行うことで、Rubyだけでなく、他のプログラミング言語の環境構築にも対応できるようになります。

この記事を通じて学んだ知識を活かし、一歩一歩確実にスキルアップしていけることを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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